正解は、いくら? ~中学受験家庭の教育費編~

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ネットニュースや雑誌にたまに載っている家計相談の内容をみたり、総務省から出ている家計調査などを見て、
「安すぎる」「え?平均はこれなの?我が家がかけすぎ!?そんなことない。だってあちらのご家庭もあちらのご家庭も、うちよりもさらに家庭教師もつけてたり、ダブルやトリプルで塾に行ったりしてるからもっとかかってるはず!!私の周りだけが異常!?」「で、教育費の正解はいくらなの!?」「これはかけすぎなの?」と不安になった経験はありませんか?

上記の慌てふためいている言葉を発したのは、全部、私です。

この記事では、結局のところ中学受験家庭の教育費の正解はいくらなのか?について書きます。

この記事でわかること

目次

中学受験家庭において、一般的な「平均教育費」は全く参考にならない

教育費については各ご家庭で考え方、方針が大きく変わるので、どのくらいまで教育費をかけていいものか、皆目見当がつかない、ということはよくあると思います。
「教育費の理想は収入の何パーセント」、といったような目安を参考にいいのか?どこかを削って教育費にまわす?それとも大学や大学院進学のみに注目して、高校まではあまりお金をかけないようにすればいいの?
そもそもよそのご家庭はいくら教育費にお金をかけているのか、とても気になるのではないでしょうか?

文部科学省データで見る、「子供の学習費」の平均

文部科学省の「子供の学習費調査」(令和5年度(2023年度))では、学習費総額が公表されます。
その結果を表にまとめてみました。
公立と私立の、幼稚園から高等学校までの学習費の総額がわかります。

学習費総額というのは、①学校教育費、②学校給食費、③学校外活動費の合計です。
学校教育費の内訳としては、入学金等や授業料、修学旅行費等々、通学関連費も含まれています。
学校外活動費の内訳としては、家庭内学習費、通信教育・家庭教師費、学習塾費、その他という構成です。

公立と私立では、特に小学校と中学校での違いが大きいですが、何が大きな金額の違いが大きいかというと、①学校教育費が、大きな違いの原因となっています。

また、公立であっても私立であっても、学習費総額における③学校外活動費が非常に高いことがわかります。
学校外活動費の中でも、小学校低学年以降、公立でも私立でも、「学習塾費」が最も多くなっています。

学校種別「学習費総額」の推移(年額)

【公立】幼稚園小学校中学校高等学校(全日制)
学習費総額185000(円)336000(円)542000(円)598000(円)
(内①学校教育費69000(円)82000(円)151000(円)351000(円)
(内③学校外活動費)100000(円)216000(円)356000(円)246000(円)
 【私立】幼稚園小学校中学校高等学校(全日制)
学習費総額347000(円)1828000(円)1560000(円)1030000(円)
(内①学校教育費)154000(円)1054000(円)1128000(円)766000(円)
(内③学校外活動費)158000(円)720000(円)423000(円)264000(円)

※表記している金額は、100円未満を四捨五入しています。

学習費総額を単純に12(か月)で割ってみた数字(月額)は下記のようになります。

学校種別「平均学習費月額」の推移

【公立】幼稚園小学校中学校高等学校(全日制)
学習費月額15000(円)28000(円)45000(円)50000(円)
 【私立】幼稚園小学校中学校高等学校(全日制)
学習費月額30000(円)152000(円)130000(円)86000(円)

※表記している金額は、100円未満を四捨五入しています。

学年別補助学習費のうち「学習塾費」の推移(年額)

区分公立私立
幼稚園14000円25000円
小学1年生25000円154000円
小学2年生
28000円153000円
小学3年生41000円194000円
小学4年生53000円266000円
小学5年生79000円385000円
小学6年生107000円438000円
中学生230000円169000円
高校生148000円113000円

※表記している金額は、100円未満を四捨五入しています。

これだけのデータでも、「わ!こんなに教育費ってかかるのね・・」という高額っぷりではあります。
しかもこれは子供1人にかかる学習費であり、塾によっては「きょうだい割引」がある場合もありますが、学校関連費用についてはきっちり人数分支払う必要があります。(当たり前)

中学受験家庭がどのくらいの教育費をかけているのか

中学受験のために専門の塾に通っている等の対策をしているご家庭では、文科省データの金額を見ても、さほど驚かないどころか、「ん!?!?これどころじゃないくらい払っているぞ!?!?」「みなさんこれでおさまってんの!?」「やすすぎ」「もしかして我が家は教育費かけすぎているのではないの!?」となるのではないかなと思います。

そこで、このデータです。

大手塾データSAPIX
四谷大塚日能研早稲田アカデミー
6年生年間費用約120万円約110万円約110万円約115万円
月額換算約10万円約9.2万円約9.2万円約9.6万円

選択する講座などによって大幅に金額がかわるので、これよりももっと高額になる可能性もありますが、だいたいどこの塾に行っても、年間で100万円以上かかります。

1か所の塾1本だけに絞ることなく、塾内のクラスアップなどのための専門の家庭教師をつけたり、上記の大手塾をかけもちしているケースもあります。
また、私立小学校に通っている場合でも、内部進学テスト対策や、外部受験をするために中学受験専門塾に通うケースは多々あります。

また、中学受験をするとはいっても学習塾や家庭教師などだけではなく、スポーツや楽器など、たくさんの習い事を受験ギリギリまで習っているケースもあり、塾費用だけを考えていればいいわけでもありません。

教育費は、かけようと思えば際限なくかけられます。

各学校のいろんなデータが1冊にまとまった本です。

教育費の正解は、家庭の方針によって大きく変わる

ここまでお伝えしたように、教育には際限なくお金をかけることができます。

大切な我が子が目標に向かって頑張っている姿を見ると、親としては「できることは何でもしてあげたい」と思ってしまいます。塾の先生から「この特別講座で合格に近づけますよ」と言われれば、たとえ高額でも「これで合格できるなら…」と、つい申し込んでしまう気持ちもよくわかります。

しかし、そこで一度立ち止まって考えてみてください。

その出費は、本当に家族みんなの幸せにつながるでしょうか?

残念ながら、教育費に明確な「正解」はありません。他者と比べて「我が家はかけすぎ?安すぎる?」と不安になる必要もありません。大切なのはおそらく、家族みんながしあわせでいられること

中学受験は、多額の費用がかかりますが、それだけではありません。家族が一つの目標に向かって頑張る、かけがえのない経験でもあります。その経験を通して、お子さんが幸せになるためにはどうすればいいか、家族で話し合い、納得できる答えを見つけることが、何よりも重要です。

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この記事を書いた人

探偵あーちゃん@転勤族の妻FP

**家計管理** 
転勤族でも安心!予期せぬ出費や環境の変化にも対応できる、柔軟でストレスの少ない家計設計をお手伝いします。

**教育費** 
「うちの収入で私立って大丈夫?」そんな不安に寄り添いながら、お子様の夢を諦めずに済む教育費プランを一緒に考えます。

**資産運用** 
10年で総資産を年収の10倍に増やした実体験をもとに、初心者でも安心して始められる資産運用のステップをお伝えします。

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