なぜ「独学合格」は難しいのか?
簿記2級は、多くの人にとって挑戦しがいのある資格です。
私が40歳を過ぎてから独学で合格した理由は、就職や転職のためだけではありませんでした。
「自分にもできるんだ」という自信を持ちたかったからです。
もちろん、今後の生活や仕事に役立てたい思いもありますが、
何よりも自分自身への挑戦と成長の証明が大きなモチベーションでした。
「独学で合格できるのか?」という疑問は多くの人が持つものですが、
答えは「できます」。
ただ、簡単ではないのも事実です。
特に次のような悩みは、多くの独学者がぶつかる“壁”です。
- 「何から手をつけていいかわからない」
- 「この勉強法で本当に合ってるの?」
- 「モチベーションが続かない」
資格の難易度そのものよりも、自分で戦略を立てて、それを続けられるかどうか。
そこが独学最大のポイントです。
本記事では、私自身の体験も踏まえて、独学で合格を目指す人のための「最強の学習戦略」をお伝えします。
合格への近道を、遠回りせずに進むために。ぜひ、最後までお付き合いください。
最強の学習戦略①:ゴールから逆算する
簿記2級の学習を効率よく進めるために、まず大切なのが「ゴールから逆算する」ことです。
試験の合格基準や出題範囲が決まっているため、目標を明確にし、そこから逆算して計画を立てることで、
効率的な学習が可能になります。
私の場合は、工業簿記を得点源にできた一方で、商業簿記に苦手意識がありました。
そこで、商業簿記の基礎をしっかり押さえつつ、得意な工業簿記で安定した得点を狙う戦略を立てました。
また、試験日から逆算して「いつまでにどの範囲を終わらせるか」を決めることで、計画的に学習を進められ、
モチベーションも維持しやすくなりました。
闇雲に勉強するのではなく、目的を持った逆算スケジュールが合格への近道です。
次のセクションでは、具体的な学習方法や教材の選び方について解説していきます。ぜひ参考にしてください。
最強の学習戦略②:効率的な教材選びと使い方
独学で簿記2級を目指すと決めたとき、最初は、参考書や問題集をいろいろ買い込みました。
けれど、どれもしっくりこなくて、「どれをどのくらいの量どうやればいいのかわからない」と悩んでしまいました。
そんな中でたどり着いたのが、動画教材でした。
特に、商業簿記は「ふくしままさゆきさん」、工業簿記は「たぬ吉さん」のYouTube動画が、
私にとっての大きな支えになりました。
この動画に出会うまでは、問題を解いても「なんでこれやってるんだろう?」「今何をしてるんだろう?」と
常に迷いながら進んでいました。
でもこの動画に出会ってから、
「今この仕訳は何のためにしているのか」「何を導くためにこの処理があるのか」という
全体の流れや目的がクリアになり、勉強への姿勢がガラッと変わりました。
動画視聴の進め方はこうです:
- 工業簿記は1か月ほどで動画をすべて視聴し、セクションごとに市販の参考書に載っている例題を解いて定着を図りました。
- 商業簿記は同時進行で学習していましたが、動画を見終えるまでに約1か月半かかりました。こちらもセクションごとに例題を解きながら理解を深めました。
動画のよさは、「理解できるまで繰り返し見られる」こと。
そして、今自分がどこにいて、何をしているのかを常に意識させてくれることです。
そして動画をすべて見終えた後、試験までの2週間は10年分の過去問題をひたすら解いて、仕上げていきました。
結果的に、勉強期間は約2か月。
教材を「たくさん手を出す」のではなく、「相性のいいものを絞って、理解しながら使い倒す」こと。
そして、常に「今自分が全体の中のどこにいるのか」を意識しながら学習することが、合格への最大のカギだったと思います。
最強の学習戦略③:つまずきを乗り越える仕組みづくり
独学で勉強していると、どんなにやる気があっても必ず「つまずきの時期」がやってきます。
理解できない問題に出会ったり、スケジュール通りに進まなかったり、疲れて集中できなかったり…。
そういうときに大切なのは、「根性で乗り切る」ではなく、自分なりの“乗り越え方の型”を持っておくことです。
私にとってその鍵は、「記憶に頼らず、理解する」ことでした。
40歳を過ぎた自分にとって、ただ覚えるだけの勉強は通用しないと感じていました。
だからこそ、勉強中は常に「なぜ?」を問いながら進めていました。
なぜこの仕訳が必要なのか? なぜこの処理になるのか?——それがわかってくると、自然と次に何をすべきかも見えてくるようになります。
実は、そうした考え方のきっかけをくれたのも、動画教材でした。
特に「ふくしままさゆきさん」の講義では、簿記の考え方の背景や、歴史的な話も織り交ぜてくれていて、「ただの暗記科目」ではない、という理解が深まりました。
そして、過去問を解いて間違えるのは当たり前。
大事なのは、「なぜ間違えたのか」を自分の言葉で理解することです。
私は、過去問集の過去問をすべて1回しか解いていませんが、
(しかも大問1つずつを解いては解説を読み・・、というスタイル)
間違えた問題については原因を一つひとつ丁寧に洗い出しました。
量ではなく、1回を“質”で活かすことを意識して、本番で同じタイプの問題が出たときには確実に解けるように準備しました。
● 完璧主義にならなくていい。でも、理解にはこだわる
すべてを一度で完璧にこなす必要はありませんが、「なんとなく」で進めるのではなく、
自分なりに納得しながら進むこと。
それが、結果として本番の問題を自力で解く力になります。
独学にはつまずきがつきもの。でも、「理解することを軸に学ぶ」という姿勢があれば、どんな壁も越えられる。
私はそう実感しています。
合格の先にあったもの。私がこの経験で得たもの
簿記2級に合格したとき、もちろん嬉しさはありました。
でも、それ以上に感じたのは——「やればできるんだ」という確信でした。
私は就職や転職のために資格を取ったわけではありません。
「何かの役に立てばいいな」という気持ちはあったけれど、
根本には、「自分に何か新しいことができる」ということを、自分自身に証明したかったのです。
勉強中は、時間も体力も限られていました。
でもだからこそ、「覚える」よりも「理解すること」を大切にして、焦らず一歩ずつ積み上げていく
——そんな勉強スタイルが自分には合っていたのだと思います。
実は、私のまわりでは簿記2級を持っている人は案外多くありません。
もちろん、経理や事務など、資格が必要な職場では持っている人も多いと思いますが、
一般的にはそれほど身近な資格ではないのかもしれません。
だからなのか、履歴書に書いてあるだけで「おっ」と思ってもらえることもあります。
もちろん、それが即採用に直結するわけではありませんが、
「努力して結果を出した人」という印象を持ってもらえる、そんな小さな後押しになることは確かです。
合格して得られたのは、資格そのものよりも、
「工夫すれば、年齢に関係なく学べる」「自分のやり方で結果を出していいんだ」という自信でした。
もし今、独学で簿記2級に挑戦しようとしている方がいたら、
年齢やブランクを気にせず、自分のペースで、そして「理解を大切にする学び方」で進んでいってほしいと思います。
合格はゴールではありませんが、
自分を信じてやり抜いたという経験は、これからの人生の大きな支えになります。
私の具体的な合格体験や勉強の振り返りについては、こちらの記事に詳しくまとめています。
▶︎40代でも独学でも合格できる!本気出したら2か月で日商簿記2級に合格したコツ
気になる方はぜひご覧ください。